第5回研究会

2007年9月13日(木)12時から、法経総合研究棟3F中会議室にて、科研費基盤研究A「法曹の新しい職域グランドデザイン構築」2007年度、第1 回研究会が開催されました。教授会開始前の短い時間であり、また参加者が少なかったにも拘わらず、内容的に充実したディスカッションができました。

研究会は、2月に実施され、8月までにほぼ分析を終えた「企業における弁護士ニーズに関する調査」の内容について検討するというものでした。報告者は特任研究員の渡邊太氏。企業における弁護士利用が進まない理由については、企業が弁護士を利用するメリットについて十分に認識していないという問題点が大きいことや、報酬の決め方が難しいこと、組織内弁護士の雇用については、固定された人事体系のもとで弁護士をどのように処遇するか難しい問題があることなどが指摘され、隣接専門職との関係では、税理士の利用ニードが圧倒的に高いものの、弁護士の利用ニードもそれほど低くはないということが指摘され、さらに、利用障害がなければ弁護士に任せたいと思う業務に関するニードスコア分析からは、資産運用などに関する業務を除く多くの業務を弁護士に任せたいというニーズが明らかにされ、そうした業務は経営コンサルタント的業務、権利行使業務、戦略法務的業務、労使関係処理業務、契約業務(カテゴリーの命名は福井による)といった括りに分けられるということが報告されました。

ディスカッションでは、従業員数が10名未満で組織内弁護士を雇用しているという回答をした企業について、果たしてどのような業務形態なのかが議論された他、弁理士については、メーカーではかなり利用が進んでおり、弁理士の職域は拡大傾向にあることなどが確認されました。

本科研費では、来年度に向けて「法曹の新しい職域」に関する研究をさらに進めていくつもりです。

[福井 康太]