市民メディアサミット06

2006年9月8日〜9月10日にかけて、横浜市開港記念会館で市民メディアサミット06(市民メディア全国交流集会@よこはま06)が開催された。市民メディア全国交流集会は、2004年1月に名古屋で第1回、同年10月に米子で第2回、2005年9月に山江村(熊本県)で第3回が開催されている。全国交流集会には、市民メディア活動団体、ケーブルテレビ局、市民ジャーナリスト、メディア研究者らが参加し、それぞれの活動に関する情報交換を行ない、交流を深めてきた。

市民メディアサミット06では、<地域社会と市民メディア><市民記者とは何か?><情報通信技術と市民メディア><表現と活動の場としての市民メディア><市民メディアで何を伝えるのか><市民メディア公開講座>といったテーマ毎に合計43ものセッションがおこなわれ、3日間でのべ1,000人以上が参加した。

メディアは誰のものか? 表現の自由は、あらゆる人々に公平に与えられてはじめて達成できるものである。マス・メディア中心の日本のメディア状況に対して、市民メディアの活動団体は市民による情報発信を促進し、人々がメディアの受け手ではなくメディアの主体的な使用者として表現できるような環境整備を目指している。

セッションのなかでは、日本版が始まったオーマイニュースへの関心が高く、市民ジャーナリズムへの期待の高さが伺われた。また、日本でのパブリック・アクセスの制度化を展望する議論にも注目が集まった。市民メディアが活動しやすくなるような法制度の整備が期待されている。

私たちは、「オルタナティヴ・メディアの運動」というセッションを運営し、社会運動の文脈で市民によるメディア実践に関して考察し、討議した。日本の市民メディアでは、地域に根ざしたコミュニティ・メディアが目立つが、社会問題の解決を志向する社会運動のなかでも特異なメディア実践をおこなっているグループが存在する。市民メディアを社会運動の文脈に位置づけることで、メディア実践の可能性をより拡張してとらえることができる。メディアに対して受け身の存在であるのではなく、能動的なメディア使用者となることは、自律性の感覚を育成し、参加民主主義的な政治感覚を持つことを可能にする。

市民主体の公共的活動をサポートする事業も、法曹の新しい職域として期待されるべきものである。

セッションの内容は、ポッドキャスティングですべて聞くことができる。市民メディアに関心ある方はどうぞ。

[渡邊 太]

http://alternative-media.jp/